2018-01-07

「Just a Gigolo」30数年ぶりの感想

さて上映会が終わったのでネタバレいっときます。

まだこれから見る、というかたは読まないでね☆

イギリス人の監督と俳優が作った、ドイツ敗戦の映画。

おそらくもうその時点で内容如何を問わずドイツ人にとってはとんでもない屈辱だろう。
(しかもこれはイギリス映画ではなくドイツ映画なのだ)

そして案の定ドイツで行なわれたプレミアではケチョンケチョン。
イギリスでの配給会社も決まらなかったらしい。

日本で公開されたのは製作から5年後の1983年。
レッツダンスと戦メリの大ヒットでようやく陽の目を見たのだった。

映画は上映された当時はとにかくボウイの美しさに見惚れて何度も映画館に足を運んだ。
総制作費12億円ということで、映像もセットも非常に美しく見ごたえのあるものだった。
78年当時のボウイの美しさを堪能するためのプロモビデオとしては完璧な出来。

私が今回の上映会のため入手したものはツタヤのレンタル落ちの中古VHSで
北海道の古書屋さんから取り寄せ、相方さんにDVDに焼いてもらった。

アマゾンで売っている中古DVDはあまりにも高額で画像も酷いものらしいが
こちらも映像は決して良いとは言いがたい。

全体に画面がクリアではなく、途中でかなり酷いノイズが入る部分もある。

ボウイの美しさも半減して見え、そんな状態で通しで視聴してみると、
作品として悪い部分、駄目な部分が見事に浮き彫りになった。

敗戦という非常に重いテーマがあまりにも軽く扱われ、主人公ポールの苦悩する心情も
うっすーく表面をなぞっただけのよう。

アマゾンのレビューに「延々あらすじを見せられているよう」と書いてあったがまさにその通り。

もっと端的に言ってしまえばエロ女たちとホモのおっさんにボウイが延々セクハラされまくるだけの話である(^_^;

また、今回30数年ぶりに視聴してみて面白いと感じたのは監督デヴィッド・へミングスの嗜好について。
この人見た目からしてオネエそのものだが3度結婚しているというからバイなのだろうか。

この監督がボウイを着せ替え人形のようにコスプレさせてセクハラして楽しんでいるだけの映画と言ってもいい。

そしてまたこの監督は筋金入りの女嫌いではないだろうか。

敗戦のショックから立ち直れないポールに対し、女たちはたくましく、今日という日を生き抜くために
過去を振り返らず、誇りも捨ててなりふり構わず前を向いてゆく。

が・その描き方があまりにも雑すぎるのだ(笑)

裕福だった実母はトルキッシュバス(日本でいうところのソープではなくスパリゾートみたいなこと)で働き
幼馴染のシリーは左翼思想を捨ててキャバレーでストリップまがいのパフォーマンス。
女優のエヴァは売春のようなことまでしている。

ポールに客を取る姿を見咎められたエヴァは「恥なんて概念は前時代の遺物よ」と言ってのける。

シリーも、未亡人のヘルガも金のために全く愛のない相手と結婚をし、
そのくせ美しいポールの肉体だけはちゃっかり欲しがる。

ポールの親族とディートリッヒ以外の女性たちがもれなく下品すぎた。

そこには、たくましく生きる女性たちに対する監督の賛美の視線は全く感じられず
繊細すぎる男性に対し、あさましいまでに貪欲に生き抜く女という生き物の
獣のような強欲さだけが描かれていた。

きっとこの監督は、女性というものの変わり身の早さに呆気に取られ、軽蔑しつつも
それを半ば羨望の眼差しで見ていたのではないだろうか。
そしてオネエ特有の意地悪で皮相的な目線でそれを描こうとして結果的に失敗した。

大学時代に見ていた頃にはこのような部分は全く分からなかったので、
年を取ってそのあたりがいろいろ理解出来たことは我ながら面白かった。

そして、ボウイの美しさのみに頼りきっていた映画、ということが非常によくわかり、
当時の不評も致し方なし…と大いに納得した。

でも願わくばもう一度、当時の美しい画面でこの映画を見たい。
つべで海外の人が綺麗な映像を上げているので、頑張れば手に入るかもしれない。

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プロフィール

YUKI

Author:YUKI
大徳寺貴更中心としたドール、フィギュアスケート、
映画、音楽その他何でもありの雑多なブログ。

…でしたが2016年1月10日以降は専らDavid Bowie追悼ブログ。
2017年1月10日の一周忌まで期間限定更新予定です。

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